妊娠すると大半の人が体験。つらくても時期がくれば、おさまります。

つわりは、妊娠初期によくある胃のむかつきや嘔吐、吐き気、食欲不振など、主に消化器系の症状を総称しています。
妊婦さんの約50~80%に見られると言われており、程度の差こそあれ、多くの妊婦さんが体験するものです。
妊娠4~6週ごろから始まり、12~16週ぐらいに終わるのが一般的で、ピークは8~10週ごろです。
つわりの時期や期間には個人差があり、8週過ぎて始まる人、10週には終わる人、出産直前まで長引いてしまう人などいろいろです。一方、妊娠中、つわりをまったく感じなかったという人もいます。こうした違いがあるのは、体質や環境、妊婦さんの精神的な状態などが関係しているようです。
また、いったんつわりがおさまったのに、妊娠後期に再びつわりのような症状が出る人がいます。これは、赤ちゃんが大きくなって胃が押し上げられるために、普通にたべただけでも気持ちが悪くなることがあるからです。
つわり自体は妊娠による生理的な反応なので治療の必要性はありません。殆どの人が時期がくれば自然に治まっていきます。
治療が必要なほど重症化する妊婦さんは0.5%程度といわれています。
つわりの時期は、妊娠に対する心と体の準備期間だとプラス思考でとらえ、上手に乗り切りましょう
つわりは精神的なものの影響も
つわりは精神的なものが大きく影響するので、ストレスがあるとつわりが重くなる傾向があります。例えば、夫婦間や家庭環境の問題、出産やママになることへの不安、おなかの赤ちゃんに異常はないかなどの心配があると、症状が重くなることが多いのです。
つわりのことばかり考えて、家の中に閉じこもってしまうと、症状が重くなりがちです。反対に、仕事や関心事が他にあると、比較的軽く感じられるようです。2人目の出産のときには、上の子の育児に追われ、つわりを感じる人が少ないともいわれています。
吐き気、嘔吐、食欲不振のほか食べ物の好みが変わることも
つわりの症状は、主に吐き気や嘔吐、食欲不振、空腹時に胃がむかむかするなどです。
このほか、いつも眠くてたまらない、頭痛がする、体がだるい、唾液がたくさん出る、匂いが気になって気分が悪くなるというようなことも、つわりの症状の一つです。
ひと口につわりといいますが、その程度は個人差が大きく、気分は悪いが何か食べればおさまるレベルから、食後に少し吐くレベル、何も食べられず胃液を吐く重症レベルまでさまざまです。
また、食べ物の好みが変わり、甘辛い味や脂っこいものが欲しくなったり、特定の食べ物やにおいを極端に好むようになることもあります。これは、妊娠するとホルモンの影響で味覚や嗅覚が普段より、鋭くなるために、食べ物に対する嗜好が変わるのではないかと言われています。
つわりの時の主な症状
1位ムカムカする。吐き気
2位何かいつも食べていたい
3位(実際に)吐く
4位食べては吐く
5位眠い
6位車酔いのような症状
7位だるい
8位朝がつらい
9位ご飯のたける匂いがイヤ
食べたかったもの
1位果物
2位レモン風味のもの
3位さっぱりしたもの
4位冷たいもの
5位炭酸飲料
つわりは赤ちゃんが元気な証拠。ママが食べられなくても大丈夫
つわりで食事が十分に取れないと、お腹の赤ちゃんに影響するのではないかと心配する人がいるかもしれません。ですが、妊娠10週ごろでも赤ちゃんはまだ数cmほどの大きさですから、必要な栄養はごくわずかです。ですから、妊婦さんが食べられなくても、赤ちゃんの成長には影響しません。
同様の理由で、妊婦さん自身の栄養が偏ってしまっても心配する必要はありません。辛いもの、さっぱりしたもの、もしくはジャンクフードしか食べたくなくても、この時期は仕方ないでしょう。
なかには、つわりが重いと流産するのではないかと心配する人もいるようです。でも赤ちゃんが元気かどうかは、検診のとき担当医が超音波検査などで確認していますから心配いりません。つわりが重いことと流産は直接の関係はないと思って下さい。
つわり中の食事の基本は食べたいときに食べられるものを
つわりは多くの妊婦さんに起こる、妊婦の第一関門のようなもの。つらくても「赤ちゃんが元気に育っている証拠」だと、前向きな気持で乗り切りましょう。
つわりのときの食事は、食べたいときに食べられるものを食べるようにします。
我慢のしすぎは禁物。悪化する前に病院
上手に気分転換することも、つわりを軽減させる方法の一つです。友達と電話で話したり、ショッピングを楽しんだり、近所をブラブラ散歩したり、積極的に気晴らしをしてみてください。絵を書いたり、テレビやビデオを見るなど、集中できるものを探すのも、うまく乗り切る秘訣かもしれません。
病院に行く目安
・一日に3,4回吐く
・食事がほとんどとれない
・体重が1週間で1~2kg以上減る
・尿の量が減っている。
つわりを乗り切るアイデア
まくらもとにスナック類を用意する。
朝、目覚めた時に気分が悪くなる人が多いので、枕元にクラッカーやクッキー、ゼリーなど、床に入ったままつまめる、スナック類を用意しておきましょう。
食事は小分けにする
つわりのときは、空腹時に気分悪くなりがちです。通常の食事時間にこだわらず、おなかがすいた時に、少しずつ食事をとるようにするといいでしょう。
薬味やスパイスを聞かせた料理を
しょうが、わさびなどの薬味やスパイスを効かせた料理は食欲をそそります。また、酢やレモン汁を効かせた酸味のある料理も、さっぱりして食べやすいでしょう。
料理は冷やして食べる
匂いが気になる人は、冷やして食べると匂いが弱くなって食べやすくなります。食欲のない人も、口当たりがよくて冷たいものや、のどごしの良い物なら食べられるかも。
こまめに水分補給をする
脱水症所にならないために、食べられなくても水分を補給することを心がけて。冷たい麦茶などがおすすめですが、胃がスキッとするようなら炭酸飲料を飲んでもいいでしょう。
外出時にはあめやガムを持ち歩く
空腹時に気分が悪くなるようなら、外出するときもあめやガムを持ち歩きましょう。つわりのときは乗り物酔いをし易いので、車や電車に乗るのはなるべく、短期間にしたほうが無難です。
昼寝などで体を休める
つわりは病気ではなく生理的な症状ですが、つらいときは無理せず、安静にしましょう。ソファにゴロンとなったり、昼寝したり、ゆっくり体を休めて。
お出かけして気分転換する。
家に閉じこもってばかりいると、気が滅入るので、散歩や買物、外食などで気分をリフレッシュさせて。人混みは避けて、ゆったり歩ける場所や時間を選びましょう。
外食や市販品を利用する。
調理をしている最中に気持ちが悪くなることもあるので、市販品を利用したり、たまには外食にしたりしましょう。掃除の回数も減らしたり、家事は工夫して乗り切って。
マスクを付ける
匂いで気持ちが悪くなるときは、マスクでガードしましょう。マスクしながら調理したり、スーパーの精肉・魚売り場などのにおいが嫌だったら、マスクして素早く回って。
家事や仕事では無理しない
つわりのときは体調も精神的にも不安定なことがおおいので、家事や仕事では無理のないように。つわりの期間だからと割りきって、職場の人や家族に協力してもらいましょう。
「赤ちゃんが元気な証拠」と前向きに考える。
つらくてもクヨクヨせず、「おなかの赤ちゃんが元気で育っている証拠」と前向きに考えましょう。赤ちゃんのために「頑張ろう」と自分自信を励まして乗り切って。